【INC May 最終レート1806 33位】†天地魔闘デブスタン†
1.はじめに
(※上の画像ではROMが異なりますが、メインROMとサブROMの違いです。両方で同じ配分の個体を使用しました。レンタルチームは僕のものであることが分かるようにメインROMで出しました。)
お久しぶりです。アゼリア(@azl_poke)です。
剣盾では初記事になりますが、僕がINC Mayで使用した構築を紹介します。
最終レートは1806で、戦績は32勝8敗でした。
1日目:○○○○○/×○○×○/○○×○○(12ー3)レート1618
2日目:×○○○×/○×○○○/○○○ (10ー3)レート1703
3日目:○×○○○/×○○○○/○○ (10ー2)レート1806
対戦の振り返り
1日目・・・15戦消化時点でレート1600以上行ければ良いと考えていたのでまずまずといったところ。
2日目・・・レート1700行ければ良いと考えていたため、15戦消化しきらずに到達できたのは良かった。
3日目・・・昼過ぎから潜りはじめ、最初の7戦を終えた時点でレートが1746。疲れたので休憩しながら別のROMでも対戦していたところ、下振れまくったのでそのROMは諦めることに。深夜3時にボーダーチャレンジをして、5連勝で1806に到達。暫定で21位だったので様子を見て早朝に潜ろうかと思いましたが、順位があまり変動しなかったので安静に待機。
2.構築経緯
今回のINCの構築を考える上で、5月16日に行われた日独交流戦を元に考えようと思いました。それまではカ・エールパ系統の構築やリザードン構築をひたすら回していました。
この中で、複数の日本勢がバンドリ構築を使用し勝利していることが印象的でした。
そこで、INCで使用する構築について『ポケットモンスター バンドリを使う vs バンドリをメタる vs ダークライ』のどれを選択するかから始まりました。
バンドリを使用するメリットとして、様々な構築が存在するINCにおいて柔軟に対応できる点が挙げられますが、立ち回りの難易度が高く、長期的な視点で見ると、最大で45戦をする際に一戦一戦で脳のリソースを割かなければならないという点でメタる側に回ろうと考えました。
また、あまりにバンドリが強かったため、INCにバンドリを持ってくる人が増加し、ミラーが発生しやすいと考えました。ミラーでは、ドリュウズの同速や雪崩怯みなど、不毛な要素が多いため避けたいという気持ちもありました。
構築を考えるにあたり、ふとTwitterを見ていると、
といったツイートを目にし、タイプ上バンドリに対して有利であることからホルードを軸とした構築を考え始めました。
まず考えた構築は先発にダイマックス(以下DM)エースのホルードとサポートポケモンを並べて相手のポケモンをなぎ倒していく先発破壊ダイマックス構築でした。
(エルフーンの追い風や、トゲキッスのこの指サイチェン手助けで隣のDMホルードをサポートしながら破壊していく。)
噂通りホルードのパワーはすさまじく、基本的に初手でDMをして殴るというコンセプトなので扱いやすかったのですが、相手の妨害やドリュウズのダイスチルで固められると厄介であると感じたので解散。
これを踏まえ、ホルードに気合の襷で行動保障を持たせ、先発で相手のポケモンを削り、後発のDMエースにつなげる後発打開ダイマックス構築を考えました。
後発打開ダイマックス構築として、前回のINCで結果を残していた『天地魔闘スタンver2020』を参考にしました。この構築記事では、後発でダイマックスをする際に必要な要素が記載されており、後発ダイマックス構築の教科書のような記事だと思います。
後発から繰り出されるアタッカーフシギバナは、抜き性能が高く、バンドリやガラル地方でイキっている高耐久水DMポケモンに対して強いことから、バナコータスで打開の構えを取ることにしました。
天地魔闘スタンでは、先発に襷持ちのポケモン+サマヨールが基本になっています。そのため、バンギラスの枠を襷持ちのホルードに変更しました。そしてホルードとのシナジーがあるトゲキッスも採用しました。
上の5体はすんなりと決まったのですが、最後の枠がなかなか決まらず、ラストのポケモンを探す旅に出ました。
ラスト1枠に求める要素は以下の3点です。
・一撃で倒されにくい(高耐久である・弱点が少ない)
・炎の一貫を消せる
・相手のDMを遅延できる
この要素を持っているポケモンを探していたところ、HBカビゴンが当てはまるのではないと思いました。この手のカビゴンは主にシングルバトルの環境で評価されている型です。日独交流戦でも登場しており、密かに注目をしていました。
一撃ではやられない耐久と耐性を持ち、特性の「厚い脂肪」によって炎と氷タイプの技の威力を下げられます。さらに「欠伸」による流し性能、「守る」による遅延性能など、後発のダイマックスにつなげられる要素を多数持ち合わせていました。
ちなみに、D方面では4振りでも命の珠DMアシレーヌのハイドロカノンベースのダイストリームを最大で7割程度、晴れ下の命の珠DMサンパワーリザードンのブラストバーンベースのキョダイゴクエンを約6割程度に抑えることができます。さらにHBに特化することで、+2バンギラスや+2ドサイドンの岩雪崩ベースのダイロックも乱数で耐えます。(硬すぎだろこいつ)
この他にも様々な紆余曲折はありましたが、大体このような経緯で今回の構築が完成しました。
それでは続いて個別解説に移ります。
3.個別解説
○ホルード
持ち物:気合の襷
特性:力持ち
性格:意地っ張り
実数値:161-118-97-*-97-130
努力値:H:4 A:252 S:252
選出するときは基本的に先発に出し、相手のHPを削ることが仕事です。
本構築において、唯一の「守る」なしポケモンです。
威嚇を入れられても想像以上の火力が出るので強かったです。
技範囲が広いので、様々なカスタマイズができると思います。
・地震・・・命中安定の代償として、味方にも被弾する断崖の剣。「守る」持ちのポケモンが多いため、比較的打ちやすかった。
・イカサマ・・・基本的にドラパルトに対して打つ技。威嚇を入れられまくり、火力を大幅に下げられてもある程度の打点になるので重宝した。
・かみなりパンチ・・・構築全体で重い飛行タイプに対しての貴重な打点。
・でんこうせっか・・・襷持ちやミリ耐えされたポケモンを刈り取るのに大活躍しました。地味にタイプ一致技なので、めっちゃ強かったです。
○カビゴン
持ち物:食べ残し
特性:厚い脂肪
性格:呑気
実数値:267-130-128-*-131-31(S個体値0)
努力値:H:252 B:252 D:4
技構成:ヘビーボンバー アームハンマー 欠伸 守る
思っていたよりも数倍硬かったシングルカビゴンです。使用する前と考えが変わりました。
役割としては、初手で欠伸を撒き散らしながらDMを枯らしたり、フシギバナを起動させやすい盤面を整えます。
サマヨールと並べることで、サイドチェンジを効果的に使えます。
・ヘビーボンバー・・・汎用的な打点。等倍以上で入ることが多いだけではなく、体重のせいである一程度の火力があります。
・アームハンマー・・・一番迷った枠。ほのおのパンチや地割れ、岩雪崩、DDラリアットなど、様々な技を考えましたが、ヘビーボンバーが通らない相手に対して有効であると考え採用しました。また、このカビゴンはバンドリに対して積極的に選出していきます。そのため、バンドリに対する速攻打点として有効でした。
・欠伸・・・このカビゴンの要となる合法催眠技。欠伸して守っているだけで対戦が終了していたこともあったほど、盤面をグチャグチャにすることができました。ラプラス構築に対しても欠伸を打つことで、不一致技のダイサンダーを強要させ倒される前にDMを枯らすことができ、もはやオーロラベールごと枯らすこともありました。
・守る・・・欠伸と食べ残しとのシナジーがある技。また、隣のホルードからの被弾を避けるためにも有効。
持ち物:命の珠
特性:葉緑素
性格:控えめ
実数値:177-*-103-167-120-111
努力値:H:172 C:252 S:84
技構成:リーフストーム ヘドロ爆弾 大地の力 守る
H・・・残り
C・・・特化
S・・・晴れ下で補正なしスカーフヒヒダルマ抜き
本構築のエース。配分と技構成はほぼ原案と同じ。
見た目はちょっとアレだが、球を持たせることでそれなりのパワーが出た。
一回使うと離れられないほど、使いやすいポケモンだなと感じました。
・リーフストーム・・・メインウェポン。INC Mayではこの系統の構築が多く上位に残っていましたが、その中で草技を「ハードプラント」にしている人もいました。単純に火力を求めるとハードプラントが良いのですが、DMが切れても殴り続けることが多いので原案のまま採用しました。
・ヘドロ爆弾・・・メインウェポン。ダイアシッドで少し足りない火力を補うことができるのは本当に強かった。
・大地の力・・・メインウェポン。この技の習得により、対応できる範囲が大幅に拡がりとても強化された。
・守る・・・眠り粉はカス
○コータス
持ち物:木炭
特性:日照り
性格:冷静
実数値:175-*-160-150-93-22(S個体値0)
努力値:H:236 C:252 D:20
技構成:噴火 熱風 大地の力 守る
原案の個体をそのまま採用しました。特に説明の入らない普通の特殊グラードンです。
今回のINCで使用してから大好きになった。
・噴火・・・最強
・熱風・・・外すな
・大地の力・・・思っていたよりも威力が低かった
・守る・・・コータスを生存させることは重要なので、かなり大事。
持ち物:鋭いツメ
特性:†豪運†
性格:控えめ
実数値:175-*-55-121-179-138-119
努力値:H:116 B:44 C:180 D:20 S:148
技構成:マジカルシャイン 熱風 この指止まれ 守る
H・・・16n-1
B・・・補正なしバンギラスの手助け込みダブルダメ岩雪崩確定耐え(砂ダメで落ちるので意味なし)
D・・・補正なし珠フシギバナのヘドロ爆弾確定耐え(そんなポケモンいないので意味なし)
S・・・+1で最速アイアント抜き(翼が生えていないので意味なし)
構築の欠陥であるにもかかわらず、何食わぬ顔で急所に当てまくる一般ポケモン。
ボックスにいた個体をそのまま流用しました。構築を調整するにあたり、流用個体を適当に使っていました。使っていて特に困ったことがなかったのでINC直前まで変えるつもりはなかったです。
直前になってダメージ感覚が変わることが嫌だったので、そのまま採用することにしました。
実際はSを最速バンギラス抜きまで振る、あるいはSを削って耐久に回そうと考えていましたが、木の実が足りずできませんでした。
(増田さん、DLCで木の実栽培できるようにしてください。お願いします。)
・マジカルシャイン・・・一致範囲技。急所に当たると強い。
・熱風・・・ナットレイやアイアントに対する遂行技。急所に当たると強い。
・この指止まれ・・・注目集めすぎてそろそろ指折れそう
・守る・・・少しでもHPが残っていると、この指を打つ役割があるので大切。
持ち物:進化の輝石
特性:お見通し
性格:呑気
実数値:147-*-188-*-162-27(S個体値0)
努力値:H:252 B:164 D:92
技構成:ナイトヘッド †サイドチェンジ† トリックルーム 守る
HB・・・補正なし珠ドラパルトのダイホロウ確定耐え
HD・・・補正なし珠ドラパルトのダイホロウ確定耐え
みんな大好き147-188-162サマヨール。
圧倒的耐久と豊富な補助技を併せ持つガラルクレセリア。
原案ではS個体値5でしたが、別に相手の最遅サマヨールと同速になっても良いという割り切り+厳選が面倒という理由で、最遅個体を使用しました。
・ナイトヘッド・・・メインウェポン。下手な技より火力出る。
・サイドチェンジ・・・第8世代を象徴するクソ技。ノーマルタイプと並べることが多いため、シナジーはありました。基本的に読まれても大丈夫な場面ではバンバン打っていたので、2連続で打つことも多かったです。(*^_^*)
・トリックルーム・・・コータスを通す上で効果的な技。相手のトリルを切り返すことも可能。
・守る・・・原案では「手助け」が採用され、他にも優秀な補助技を習得する中で、あえて「守る」を採用しました。
原案では主に隣のバンギラス、コータス、フシギバナの火力を増強するために利用されます。僕も最初は手助けを採用していたのですが、隣に並ぶポケモンがホルードとカビゴンが多く、うまく機能しなかったので変更しました。隣がホルードの場合、手助け+巻き込み地震をするとサマヨール自身に大きなダメージが入り、回復手段がないため一瞬で倒れてしまいます。隣がカビゴンの場合、カビゴン自体が火力の出せるポケモンではないため手助けになっていませんでした。
また、サマヨールはかなりヘイトを集めるポケモンであり、相手視点からするとできるだけ早めに処理をしておきたいはずです。そこで、挑発による妨害や弱点DM技で処理されることを回避したい、というのが採用の主な理由です。ホルードの地震の打ちにくさ、相手のDMをいなす、集まるヘイトを回避するなど様々な場面で活躍しました。
サマヨールの「守る」は、言ってしまえばクレセリアに「守る」を採用する感覚に近いのでしょうか。入れ得技という訳ではありませんが、この構築においては強かった印象でした。
4.選出・立ち回り
【基本選出】
先発:の中から2体
後発:
後発にバナコータスを置いて、先発は相手に合わせて選出していました。
vs
先発:
後発:
初手はホルード地震、カビゴン守る。次ターンは様子を見ながら打開の盤面を整えます。
有利マッチです。
vs
先発:
後発:
欠伸、守る、サイドチェンジなどでDMを枯らして、フシギバナで打開。以上です。
有利マッチです。
vs (ダイホロウビート)
先発:
後発:
サイドチェンジがぶっ刺さります。これだけで相手のドラパルトが小さくなってしまうこともありました。とは言いつつ乱用はいけないので、守りながら確実にDMを枯らしましょう。
vs
先発:
後発:
ガチトリルに対してはこの選出でいきます。
相手が初手でを並べてきたときはホルード地震、キッスシャイン。
初手がのように高圧的ではない場合、ホルードの襷を大事にするためにホルード地震、キッスこの指をして、トリックルームターンを稼いでいきます。
比較的有利マッチです。
vs(ミラーマッチ)
先発:
後発:
やってくることは同じなのでこちらが後からDMしていきます。
vs/ (カ・エールパ系統)
先発:
後発:
先発で相手の水DMをフシギバナのダイソウゲン圏内に入れられれば、基本的に有利に立ち回れます。
vs
先発: (or )
後発:
不利構築。
欠伸で眠らせる or サイドチェンジ+電気技でリザードンを削ることで抵抗します。
上位帯で晴れパを使用する人は少ないだろうと読んで、明確な処理ルートを用意していませんでした。(欠陥)
5.振り返り
今回のINCでは、広く対応できる構築というよりも、特定の構築に対して圧倒的にメタを張りました。そのため、バンドリに対しては負けないようにするのではなく、「勝つ」ことを意識しました。実際、1700帯~の上位帯では何回もバンドリと当たり、その度にニヤニヤしていました。
また、全てのレート帯でバンドリに対してタイプ相性上有利なラプラス構築()が増殖していました。HBカビゴンの存在により、ラプラス構築に対して強く出られるため、勝ちを拾えることが多かったです。
構築を本格的に考え始めたのがINC一週間前だったということもあり、『全対応 最強構築!』みたいな構築はできませんでした。その代わりに現時点の環境を強く意識することにリソースを割きました。
1600帯では不利な飛行DMと多くマッチングし苦労しましたが、メタ対象の構築に対して確実に勝つことで総合的に勝つことができたのだと思います。
また、命中不安技を多数採用しているため技を外したり、有効急所で僕の友達が吹っ飛んだりすることが幾度となくありました。しかし、軽~くブチ切れるくらいで平静を保っていました。結果的に、連敗をすることなく終えることができたのではないかと思います。
6.最後に
PJCS、WCSの中止も影響し、今回のINCではかなりボーダーが下がりました。今回上位40位以内に入ったのはたまたまだったかもしれません。
しかしそうだったとしても、このような結果が出たことは素直に嬉しいです。
VGC2020はもう終わってしまいましたが、リバティノート主催の大会の権利を獲得したため、恥ずかしくない対戦ができるようにこれからも頑張っていきます。
長々と書きましたが、ここまで読んでいただいてありがとうございます。
レンタルチームは7月10日まで公開しています。
何か質問等がありましたらアゼリア (@azl_poke) | Twitterまでお願いします。